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Painter流音楽理論


もちろん、作曲するときは、理論に頼ったらろくなものができないと思います。 でも!聞いてて「面白い!」と思う曲は、その面白い理由が、 音楽理論的に言ってもありそうです。それを、解明することで、 作曲に役立てるのではなく、ジャズのアドリブなどに役立てられないかどうか、 ということで、解析してみるのです。意味ないかもしれないけど。(2004/2/5)

ひとりたび解析

芸術の秋2003解析

ノンダイアトニックコードのいろいろ



ひとりたび解析

というわけで、「ひとりたび」を使って、ハモリの仕組みとコード理論について
解明したいと思います。「ひとりたび」は、ニ長調、つまり、Key in D なので、
すべてD音を基準に、メロディーやコードを度数によって一般化します。

ひとりたび「遥か彼方エジプトここは砂漠どこまで歩いても砂漠」の部分

Code IM           IM7         I7         IVM7        
Melo 5 5 5 5 4 3 | 5 6 7 5  | 5 5 5 6 7 | 5   |
Hamo 3 3 3 3 2 1 | 3 4 5 3  | 3 3 3 4 5 | 3   |


Code IIm7       V              IM IVm   IM
Melo 4 6 5 4 2 | 5 6 7 7  6 7 | 1      |      |
Hamo 2 4 3 2 1 | 7 1 2 2  3 4 | 5      |      |

まずは、ほぼ無難なスタートです。ルートなコードから、I7という、セカンダリードミナントに
うつり、そして、セカンダリドミナントといえば、「ダイアトニックコードに4度進行」ですが、
そのとおりのことをやっています。
そして、王道のコード進行、IIm7 → V → IM です。作っているときは、意識しないのですが、
おのずとそうなったのです。
そして、「さばくー」と歌いきった後のコード進行は、よく使う手法、IM→IVm です。
IVmはダイアトニックではありませんが、どくとくの、しんみりした雰囲気がでるコード進行です。
ハモリは、「どこまであ」までは、すべて3度下になっています。
「るいても」は、3度上です。
「さばく」は、落ち着くために、でも少しひねって、5度のハモリになっていますね。
「るいても砂漠」のところのハモリを見てみると、流れるように、
7度の音から5度の音まであがっています。実はしゃれていたのですね。
次にいきましょう。

ひとりたび「一日の終わり日が落ちてから焼酎とウイスキーどちらを飲もう」

Code ?Ym7     ?Vm7     ?WM7       IM         ?Ym7       V♭7
Melo 6 7 1 7 6 5  3 5 | 1 6 5 4 3 2 3  4 5 | 6 7 1 7 6  -6 -7  1 -7 -6 |
Hamo 3 5 6 5 3 3  1 3 | 6 4 3 2 1 7 1  2 3 | 3 5 6 5 3  -3 -3 -6 -5 -3 |

Code IM      ?Z♭M7   V  Vsus4 V
Melo 5   3 4 5  3 4 | 5          |
Hamo 3   1 2 2  7 1 | 2          |   *"-6" は,"♭6" のことです

ひねりがきいてきます。まあ、「焼酎と」までの部分は、コードはダイアトニックで、
ハモリは、5度上と3度下などをちりばめて、います。
「ウイスキー」の部分がなんともいえないんです。ここは、こっそり転調しています。
ここだけkey in E♭ だとおもわれます。そのキーで書くとすべてメジャースケール音で
書けるからです。

Key in E♭で書いた「ウイスキー」の部分
Melo 5 6 7 6 5 
Hamo 2 2 5 4 2 

そして「どちらを」とすすんでくると、?Z♭M7というコードがでてくるのです。
これは、まあよく使われるコードですが、ダイアトニックではありません。
そのことを少しだけ詳しく、このページの下のほうに書いています。「ノンダイアトニック」
のところです。
では次です。


ひとりたび「今日はずっと雨降りだねこのままじゃ毛布でおやすみ」の部分

Code IM       ?Vm7    ?WM   V7     ?Ym7  ?Um7        V7        ?WM ?Wm7    IM
Melo 6 5 5  |  6 5 5 | 6 5 2 1 7 | 3    | 6 7 1 6 4 | 3   2  |  1  -6 -7 | 5   |
Hamo 4 3 3  |  4 3 3 | 4 3 5 4 3 | 1    | 2 3 4 2 2 | 5   5  |  1   4  4 | 3   |

こちらはほぼシンプルです。ハモリも、3度下や5度下など。
唯一ダイアトニックコードではないのは、最後にちょっと出る、?Wm7 です。
いつもの、しんみり系コード進行です。
というわけで、ひとりたびは、わりとシンプル、でもちょいとひねりの聞いた
小作品ですね。

芸術の秋2003解析

つぎは、理論が多分面白い曲です。「芸術の秋2003」です。
Key in G

「くもだけではこうはいかない太陽だけでもこうはいかないいらないものはないさ」

Code IM7   ?Wm7/I    IM7   ?Y♭(69)    IM7  ?Wm7/I    IM7   ?Wm7/I
Melo 5 4 3 2 3 1   | 1 5 -6 1 1      | 5 4 3 2 3 3 1 | 5 3 5 2 1   |

Code ?Y♭M7   ?Z♭(69)    IM7
Melo 1 2 -3 2 1 1  1 | 3  1 |

こんどは、ダイアトニック以外が多すぎて、わけわかりません。独特の雰囲気です。
ただいえるのは、「いらないもの」のところで、?Y♭M にこっそり転調しているということです。


「あの時の芸術にきづいたらくぎづけだった、丸い空静かなショーに目を奪われた」

Code ?Wm7        ?Vm7       ?Wm7         IM
Melo 1 2 -3 2 1 | 7 5 3 5  | 1 2 -3 2 1 | 3 1 5  |

Code ?Wm7        ?Vm7     ?Y7    ?WM     ?WM/V  V7 ?WM/V  V7
Melo 1 2 -3 2 1 | 7 5 3 5 7 6 6 | 1 7 6 5 1 2 2              |

うーん・・・?Wm7が効果的に、使われているんでしょうか。あとはダイアトニック。
でも、?Y7という、セカンダリドミナントがあります。

「群れをなしている僕らを見下ろし群れをなして飛び何かいいたそうに回る鳥に」

Code IM7   I7             ?WM7     ?Z♭add9   IM7    I7            ?WM7    ?Z♭add9
Melo 5 3 1 -3 -3 2 1 6 1 | 1 2 1 -3 2 1 6 5 | 5 3 1 -3 -3 2 1 6 1 | 1 2 1 -3 2 1 6 6 |

Code ?Vm7   ?Y7            ?WMadd9
Melo 5      3 5 6   6 7 1 |        |

さびです。9度のテンションが、しゃれた感じを出しているようです。


「僕だけでは何もできない君だけでも何もできないその人もあの人もどんな人でもいてほしいのさ」

Code ?Y♭M7   ?Z♭(69)   VM/I                ?Y♭M7   ?Z♭(69) VM/I
Melo -6 1 -3 5 4 4     | 3 4 3 1 5 2 -3 2 1 | -6 1 -3 5 4 4   | 3 1 5 2 1 |

Code ?Y♭M7   ?Z♭(69)  VM/I     ?Wm7             ?WM/V  V7  V+5
Melo 1 2 -3 2 1 1 2   | 3 1 5   | 1 -6 1 4 5 4 2 | 2 3 4 5 4 -3 5 | 

ここは、転調が多い感じです。
「僕だけでは」を、key in ?Y♭ にすると、下のようになります。

Code IM7   ?UM(69)
Melo 1 3 5 7 6 6 

1小節ごとに、?Y♭⇔?Tと交互に転調している感じです。
では、次。

クライマックスのコード弾き
Code I  ?TM/?U ?TM/?V ?WMadd9   ?Xsus4  ?X

王道でしょうかね。

この曲は以上です。難しすぎて分析しきれなかった感じです。別にいいんですけど。
とおもいましたが、よく見ると、G・メロディック・マイナースケールか?
-3が多いし。今度ためしに、key in B♭で同じことをしてみましょう。


ノンダイアトニックコードのいろいろ

たとえば、Key in Eの曲で、よくC→D→Eというコード進行を見かけませんか。
CMも、DMも、key in Eのダイアトニックコードではありません。
でも、いい具合になります。
理由は、なぜなんでしょう。今はわかりません。そのうち何かわかったらご報告します。






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