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青森へ2004.9

プロローグ

2週間ほど前に、思いついた。一人旅がしたいと。ボーっとしたり、いろいろ考えたりしながら、自分のペースで、ただひたすらドライブしたい、そして、美しい山々や、夕陽や、夜空の星、そして朝日までみて、帰ってこようと。

福島あたりに行こうと、しばらく計画していた。

でも、前日になってみると、停滞前線が、そう、手痛い前線だった。

東北地方のちょっと東、三陸沖あたりに横たわっていた。だから、福島あたりは、ぐずついた天気ということだった。

どうしようか。雨だから、奥日光の霧降高原でも行って、滝でもみようかな。いやでも、せっかくいくんだから、やっぱり、青空に映える緑を、絶対みたい。

ちょっと足をのばして、山形でも行こうか、でも、確実に晴れるほうがいな、北にいくほど晴れるみたいだ、じゃあ、ちょっとがんばって、盛岡まで走って、田沢湖でもいこうかな。といろいろ、雑誌やネットで調査を続けた。

すると、青森県の八甲田山が目にとまった。ウェブサイトで、八甲田山頂上からの写真や、睡蓮沼から見える山々の小さな写真、それをみて、「これは行きたい!」と思った。

ふとんに入ってからも、いろいろスケジュールを考えていた。早くねむらないと明日にさしつかえるのに、だんだん、心拍数が早くなり、全然ねむれなかった。楽しみでしょうがない、という感じだった。12時に寝るつもりが、2時半くらいまで、寝れなかった。

東北道

5時半におき、準備して、車を取りに行って荷をつみこんで、出発したのが、6時15分ころ。

朝の天気予報を見て、心はほぼ、青森行きにかたまった。

となると時間がない。あっちまで8時間。順調に行って、3時頃になる。

とにかく遠い。那須まで200km、そこから仙台まで180km、そこから盛岡まで180km、そこから黒石(青森)まで140km! 全部で700km である。だんだん距離感覚がまひしてきて、時々「○○まであと130km」という看板をみると、「おお、もうすぐだ」と思ってしまう。

高速道路からの景色はあまりおもしろくない。まあ、おもしろかったら危険なんだけど。走るにつれて変わっていくのは、地方局のラジオくらい。

なにか考え事をしながら行くことになるのかなと思ったけど、行きはあまり何も考えずただボーっと走っていた。それでもおもしろかった。僕ってドライブ好きなんだろう。

朝食は佐野ラーメン、昼食は宮城で牛タン丼。

秋田あたりで、青森にいるYukkiに電話して、夜に会うアポがとれた。

そして3時頃、やっと青森に到着。気になる天気は・・・・曇りだった。あああ!

でもとりあえず、山を見に行こう。・・・と、近づくにつれだんだん曇りが濃くなっていく。

城ヶ倉大橋
山道を走っていくと、大きな橋があった。城が倉大橋という。山と山を橋渡ししている。橋の真ん中にいってしたを眺めると、けっこう深い谷。なかなかいい眺めだった。晴れていればきっと最高。
でもやっぱり緑はいやされる。
駐車場のところで、リンゴのアイスキャンデーを売っている男の子がいた。高校生かな。とても暇そうにしていた。1,2分話した。
じごく沼
暗くなるまえにいろいろ見なきゃ。とりあえず睡蓮沼に向かおう。
酸ケ沼温泉だっけ、そういう温泉の前を通って、ちょっといくと、?!。
車をとめて池をながめている30代くらいの夫婦がいた。なんだか興味深そうに見ていたので、自分も車を止めて、降りてみた。そのご夫婦の車は、奇遇にも私の車と同じ都市ナンバー。話し掛けた。少し前に転勤で青森にきたらしい。お2人がなにをみているのかと見ると、そこには池があり、なんと池全体から、湯気がたっていた。おお!
そこはじごく沼というらしい。
けっこう大きい。降りていって手を入れてみた。おっ、あたたかい、いや、ぬるい。つかればきっと、ぬるめのいいお湯だろう。沼底は粘土質で、あちこちから小さな泡がプクップクッとでている。
こういうのは初めてみた。温泉の沼なんてあるんだー。服を脱いでつかってみたかったが、やめておいた。
道路の反対側にいってみると、岩がごろごろしていて、あちこちから硫黄くさい煙がでていた。これぞ温泉。
じごく沼動画

さて、睡蓮沼に向かうとしよう。
睡蓮沼
睡蓮沼。国道から、歩いて1分のところ。50代くらいのご夫婦の少し後ろを歩き、ついたら、霧がいい雰囲気を出していた。ちなみに晴れていると、沼の背景には、それはもうすばらしい、山々が見えるらしい。それが見たくて、今回の旅をしていたのである。
でも、こういう、霧かかった沼も、なかなかいいなあ。ご夫婦は、写真をちょっととると、すぐ、戻っていってしまった。僕ひとりだけになった。
ほんとうに静か。ものすごく静か。急に音のない空間にきた感じ。カルガモの泳ぐ音しか聞こえない。しばらく、そこらをいったりきたり、写真をとったりしてみた。しばらくするとだんだん、鳥や虫たちが鳴いている、無数の小さな声が聞こえてくる。チュッチュッチュ、キュッキュッキュ、ジジジジジ、ジ・ジ・ジ・ジなど、さまざまな声が聞こえてくる。
なんだか、すごくほっとする。この静けさ、持って帰りたいくらい。たとえば、この虫たちの声を、録音して持ってかえって聞いても、感動は少ないだろう。虫たちの声よりもむしろ、この静けさを持って帰りたい。本当に、とてもほっとする。
だからこの沼に、30分ほど、とどまってしまった。他にだれもいなかったのでなおさらよかった。自分がちょっとでも動くと、歩く音や、衣のこすれる音が耳障りになる。だからじっとしていた。
本当に静かだった。そよ風の音が聞こえるなんて、めったにあることではない。ただ残念なのは、一番大きく聞こえたのは自分の耳鳴りだったことである。まあ、運転疲れでしょうけど。あと、車が走る、遠い音が、やはり気になりだした。

脱線するけど、よくよく考えてみると、都会に住んでいると、常になにかの雑音に接している気がする。車が通ればロードノイズ、自動販売機もコンプレッサーのジーという音。家に帰れば扇風機の音、エアコンのコンプレッサーのジーという音。それらも、きっと、ストレスの原因になっているのではないだろうか。この睡蓮沼のような静けさは、本当に、人をさわやかにする。

僕がじっとしていると、割と近くで子カルガモ2羽が、草むらからエサをついばんでいた。そして、2羽から少し離れたところ、草むらの外で、母らしきカルガモがまわりを見張っているような感じだった。「害することも損なうこともしない」時代がきたら、お互いの警戒もなくなって、こういうところで、自分も沼に入って、カモたちと戯れられるのだろうか。そう考えるととても、楽しみになってきた。この睡蓮沼に30分いられただけでも、これだけの時間とお金をかけてきた価値があったと思う。

三沢
ぐんぐん車を走らせて、太平洋側の街、三沢市に来た。そして1年ぶりにあうYukki。三沢駅前で待っていたら、彼は颯爽と歩いてきた。なつかしい雰囲気をただよわせて。 そして一緒に、三沢駅近くの、古牧温泉へ。とても大きな大きな施設の中にある、広くて、お湯も気持ちよい露天風呂。目の前には滝。

風呂上りに、フットエステの看板に心引かれ、ついお願いした。初めて、プロにやってもらった。もう、すばらしい。ひとつひとつの刺激が、疲れを運び去っていく。すごく、さわやかになった。運転に使う右足より、動かさない左足のほうが、疲れていたようだった。最初は「足裏のみ10分コース」を頼んだのだが、「ふくらはぎからひざまでやったほうが疲れが取れますよ」といわれ、「あ、もうぜひ、お願いします・・・」と、夢見心地に延長してしまった。

そのあと、なんと彼は、びっくりするほど高級なバイキングを、ごちそうしてくれた。お、お寿司がたくさん・・・。すばらしい。

温泉にマッサージに高級バイキングを楽しんだ後は、三沢の街をいろいろ案内してもらった。三沢といえば、米軍基地。次の日がちょうど、「航空祭」のようなもの、飛行機が曲芸飛行したりするフェスティバルがあるそうで、前夜からたくさんの一般人が、車でつめかけていた。基地の、看板の裏の写真をとってみた。
彼の勤めるスーパーも見に行った。
KH隣にある彼のアパートに立ち寄り、地元の仲間達にあいさつ。
そして、お別れ。元気にやっているようで、よかったよかった。
三沢を出発。三沢から有料道路が出ていて、そのまま八戸道→東北道にいける。夜中の12時から1時ごろ走ったのだが、ずーーーーっと、対向車が1台もいなかった。同方向に行く車も一台もみなかった。どういうことだ。とあとで詳しい人に聞いた所、並行して走っている一般道もガラガラだから、高速を使うのは、それを知らない他県ナンバーだけだって。もったいないことしたな。まあでも、疲れていたからいいか。
1時ごろ、寝ることにした。岩手県の、「畑パーキングエリア」で、5時まで眠った。もっと寝たかったけど、もう時間がない。昼2時までに、おうちに帰らないと。もう明るくなった道を、がんばって走り始めた。でもやっぱり、眠い。何回仮眠してもなかなか眠気がとれない。まにあうかなあ。

やっとこさ、栃木に入った。そして3度目の給油。そのとき、スタンドのおにいさんに、オイルが真っ黒だから替えたほうがいいといわれた。もう前回交換から9000km走っているって。たしかに、時々変なにおいを感じていたので、安いオイルにかえてもらった。

さらに走って走って、やっと首都高!ついに、予定通り、午後2時に、おうちに帰りついた。ふぅぅぅぅぅぅ。

すさまじい旅路だった。長い長い旅路だった。

でも不思議と、運転に飽きたり、いやになったり、ということはなかった。やっぱり僕は運転がすきなんだろうな。

というか、この旅行記をかくのにずいぶんかかった。今日はもう、2ヶ月たっている。だから感慨が薄れかけているので気の利いたことがかけないなぁ。

まあとにかく、睡蓮沼はよかった。56000円もかけて行く価値のある旅だった。

行った日:2004/9/4.5

費用: 交通費 約43000、その他 13000 円、計56000円くらい

走行距離:1560km

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