同じ計算問題を何度教えても解けない
何度説明してもわかってくれないと、こちらもいらいらして、相手もやる気がなくなって、気まずい雰囲気になりがちです。
そういうときは、どうすればいいのでしょうか。
では、まず、何度説明してもわかってもらえない原因を探ってみましょう。
いろいろなケースがあると思いますが、代表的な例を挙げてみます。
たとえば、 3x - 5x + x という展開問題がわからなかったとしましょう。
この問題は単純なようで、いろいろな課題を含んでいます。
xを含む項同士の計算、というだけではないのです。
たとえば、マイナスの概念がまだいまいちつかめていなければ、 3 - 5 = -2 という簡単なことも、イメージしにくいかもしれません。
さらに、意外に多いのが、 x と書いてあったときそれが "1x" をあらわしている、ということをまだしっかり覚えていない場合です。
そういう場合、 3x - 5x + x といわれても、「えっと、3ひく5で、それから、ん?エックス?どうすればいいの?」となるわけです。
そういう、「根本的なルールが身についていない」場合は、それ以上同じ説明を繰り返すよりも良い方法があります。
ひとつの方法として、問題のレベルを下げてみることができます。
一例として、x と書いてあったときそれが "1x" をあらわしている、ということをまだしっかり覚えていない場合のことを考えてみましょう。
そこをまずしっかり覚えさせてから、計算を教えればいいではないか、と思われるかもしれません。
しかし、数学向きの頭脳でない人にとっては、x と書いてあったときそれが "1x" をあらわしているということは、どうも覚えにくいようです。
その状態で、いきなり x - 2x は? なんて聞くと、もう混乱して、ボクにはムリだ!というイメージを刷り込んでしまいます。
それで、混乱をさけるため、まずは、x とか -x を含まない式をつかって練習させます。問題だけではなく、答えも、x とか -x にならないように気をつけます。
つまり、x + 2x は? ときくと、x ってなんだっけ・・・と混乱します。それよりも、2x + 3x は?ときいたほうが、イメージしてもらいやすいのです。
問題が難なくとける経験を繰り返すと、苦手意識を徐々になくしていけるでしょう。すると、もっと難しい問題に取り組んでみようという意欲もでてきます。
ちなみに、x が "1x" をあらわしているということは、いろいろな問題を解きながら、徐々に教えます。x の計算は中学生の間ずっとつきまといますから、その都度じっくり教えます。 x の前には1が隠れている・・・とか言いながら教えるわけです。そのように繰り返すなら、そのうち覚えること間違いなしです。
このように、余計な混乱を避けるために、まず問題のレベルを下げてみることは、結果的にはレベルアップにつながるのです。
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