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故障原因を見つけるのは、経験値がいるものだ。最初の頃は、先輩の機械との格闘を見守るしかなかったりする。
経験を積んでいくと徐々に、簡単なものから自分で見つけられるようになる。
故障部分があちこちから見えるのであれば、一箇所からじっとみて考えこむより、あちこちから、いろいろな角度から見ると、見つけやすい。
2人いて4つの目があればなおよいが、そうでない場合も、あたかも2人いて見ているかのように、いろいろな角度から見るのだ。
とにかく、観察することだ。
ばらすと、あとで組み立てるのに時間がかかることは確かだ。でも、積極的にばらしたほうがいい。
フタをあけ、いくらか時間をかけてみて行き詰まったらすぐに、さらにばらせるところがないか探し、そこをばらしてしばらく考えてだめだったら、躊躇なくさらにばらしていくとよい。
もちろん、自分で組み立てられそうにもないとわかっている場合は別だが。
機械の内部は暗くなっている場合が多い。ぜひ、頭につけるライトか、懐中電灯などをつかってなるべく明るくして原因を探すといい。
頭を固くしないように、いろいろ考えてみる。
原因は電気系なのか、機械系なのか。
電気担当者だと電気のほうが得意なので、そちらの原因を重点的に探す傾向があるかもしれないが、機械系ももれなく幅広く探してみる。
溝にはまっていなければならない部品が溝からちょっとずれているとか、プーリーのゴムバンドが経年劣化で伸びちゃっているため滑って歯車をちゃんとまわしてくれないとか。
「調整できるようになっているところ」を徹底的に洗い出して、チェックしてみる。たとえば、プーリーのゴムバンドが伸びちゃっていたら、プーリーとプーリーの距離を少し伸ばせば、ゴムバンドがピンとはって、ちゃんと動くようになったりする。
工場の環境はさまざまだが、ホコリや鉄粉やポリ粉が舞っているなら、機械内部にも入り込んでいることがよくある。
原因を探す際、まず清掃してみるといい。
エアーガンで吹いたり、細いものでゴミを取り除いてみたり、パーツクリーナーで掃除してみたり。
時には、それだけで直ることもある。
単に可動部の油切れが故障につながっていることもある。
油が必要そうなところにはどんどん油をさしていく。(注油禁止と書いてあるところにはささないように)
なんとか556でもいいし、もうすこし粘度が必要なら、グリーススプレーなんてものもある。
機械のことをよく知っているのは、電気担当者というよりも、その機械をいつも使っている人かもしれない。
そういう人は機械のしくみにも詳しかったりする。
自分で原因を見つけないと気がすまない、とガンコにならず、餅は餅屋で、他の人の意見を聞いてみると、意外なところに原因を見つけられたりする。
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