モーターのブレーカーが落ちたら

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その場で再投入しない!

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モーターから煙が出てブレーカーが落ちる、ということがあります。

そんなときは、決して、その場で再投入してはいけません。

電気技術者ならまずそういうことはしないと思いますが、現場で作業している人がすべて電気の知識があるとは限らないので、この点をよく周知しておく必要があるでしょう。

そもそもモーターを保護するためのブレーカーなのだということだけ考えても、その保護装置が働いたのに、なにも調査せず、すぐ解除してしまうのは本来の目的に反することです。

その場で再投入→ブレーカ故障の原因になる

広く使用されているタイプ(熱動式)のブレーカーは、バイメタルを使用して回路を遮断しています。

電流が流れすぎる→バイメタルが熱くなって変形する→変形したバイメタルが回路を遮断する仕掛けを起動する、という感じです。

ですから、過電流で電流を遮断したばかりのブレーカーは、熱くなっているのです。

少なくともある程度冷めてからブレーカーを投入しないと、ブレーカー本体の故障の原因になりかねません。

でも普通は、冷ますだけでなく、ブレーカが落ちる原因を見極めて取り除いてから再投入すべきです。

いろいろやってみて、原因が取り除かれたかどうだかわからない状態で、とりあえず再投入して見る場合は、手元に消火器を準備しましょう。モーターやマグネットが火を吹く場合があるからです。

その場で再投入→モーターが火を吹く

モーターのブレーカーが落ちて、原因を取り除かずに再投入すると、モーターから火を吹く時があります。

それで、基本的なことですが、モーター、特に大きなモーターを設置する場合はかならず近くに消火器も設置し、常にそのメンテナンスもしましょう。

モーターから火を吹いてしまうと、火災のもとになりますし、モーターもオーバーホールか、買い替えをしなければならなくなることがあります。

ですからやはり、モーターのブレーカーが落ちたら、再投入のまえに、まず原因を探らなければなりません。

まず原因を探る

モーターのブレーカーが落ちるという現象の、考えられる原因は、いろいろあります。

ブレーカーが落ちたということは、なにか異常があると思って間違いありません。

まず必ずできることは、モーター本体が正常かどうか調べることです。

モーター本体が正常かどうか

モーター本体が正常かどうか調べる方法は当サイトの次の記事に載せてあります。

モーター本体が壊れたかチェック

モーター本体の故障だとわかれば、電気屋さんというよりモーター屋さんの出番です。

でもモーター本体は壊れていないということもけっこうあります。

電気屋さんだけで対処できる故障例を、すべてを挙げることはできませんが、いくつか挙げてみます。

原因の1つ、マグネットスイッチの接点が離れなかった

ひとつありうるのは、マグネットスイッチの接点が離れるべき時に離れないでくっついたままになってしまっていることです。

スターデルタ始動では、2つのマグネットスイッチを切り替えています。その切替がうまくいかず、スター結線のマグネットが離れずにくっついたままになると、回路がショートし、過電流が流れます。

それでブレーカーが落ちるというわけです。

原因の1つ、ブレーカー本体の故障

ブレーカーがこわれている、という場合もあります。ブレーカーは故障頻度の高いものではありませんが、経年劣化が故障につながることは少なくないようです。

ブレーカーの中の金具が外れていて三相のうち二相しか切れていなかったりとか。

ブレーカーを分解して原因を調べたいところですが、ブレーカーは一度分解すると、信頼度が下がるそうですから、それはできません。

電圧や抵抗を測ってみるしかないでしょう。

いちばんの予防は良い回路設計

そもそも、モーターをブレーカーのトリップで止めるという方法は、電気屋的にあまりよろしくありません。

本当はサーマルの作動でトリップしてほしいところです。ブレーカーでのトリップは最終手段といったところです。

でも予算やスペースの関係などで、サーマルが三相のうち二相にしかついてないという場合があります。

それで落ちるべきときに落ちなかったり。

あと、原因の一つに上げた、マグネットスイッチの接点がくっついてしまうという現象は、マグネットの容量が大きい物を選定すればある程度防げます。

なるべくマグネットスイッチは大きめ、サーマルは三相とも、と設置して無用な機械ストップや火災を避けたいものです。